公益社団法人 自衛隊家族会会長 伊 藤 康 成



伊藤 康成 会長
 
明けましておめでとうございます。 
 
 
令和4年の年頭にあたり謹んで愛読者の皆様にご挨拶申し上げます。 2年間余のコロナ禍も、オミクロン株の問題はありますが、3度目のワクチン接種や感染者の病床整備などが各地で進められています。一日も早く完全に終息することを祈ります。公益社団法人自衛隊家族会もこれまで感染防止を第一として、予定した事業を中止や延期せざるを得ませんでした。各県自衛隊家族会や地区会も同様で、運営にご苦労が多かったことでしょう。
 しかし、厳しい環境の中でも感染防止に万全の対策を講じて、初夏の新隊員激励等それぞれに工夫をされた県・地区会からの記事が本紙に寄せられました。まことに有難く厚く御礼申します。

国際情勢
 我が国の安全保障上中国、北朝鮮、ロシアが最も注意を要することは変わりません。中でも中国は覇権的な行動や台湾の武力併合を高言し、戦闘機等が威嚇行動を繰り返す等の軍事活動が目立ちます。こうした姿勢には米国と従来は親中国色が強かったEUも政治家や高官が台湾を訪問する等中国への警戒を示し始めたようです。昨年日米豪印が首脳会談を行い4カ国(クワッド)でインド太平洋の地域の安全と繁栄のため、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に協力することで意思統一しています。
 北朝鮮は、相次ぐ国連安保理決議に反してミサイル実験を繰り返し更なる高性能兵器開発を続けています。拉致問題も交渉に応ずる気配さえありません。
 ロシアとは、北方4島の返還交渉が停滞しています。本会は返還要求署名数が日本一です。返還実現まで続けましょう。

岸田内閣の防衛政策

 岸田内閣は、令和3年度補正予算で防衛省に7,389億円を宛てました。来年度予算と「防衛力強化加速パッケージ」とされ、5.37兆円の4年度予算案と共にいずれも史上最高額となります。
 予算の外、平成25年に閣議決定された「国家安全保障戦略」並びに平成30年閣議決定の「平成31年度以降に係る防衛計画の大綱」及び「中期防衛力整備計画(平成31年度~平成35年度)」を年内に改定する方針です。
 中国や北朝鮮の軍拡に対して防衛力を強化すること、平時であっても尖閣諸島周辺の領海侵入を頻繁に行っている中国との不測の事態回避など課題が沢山ありそうです。
 具体的な中身が明らかになるのは年末でしょうが、隊員の任務は増えそうです。


これからの家族会
  本会の生い立ちは、昭和30年台の自衛隊草創期にが制服で外出すると「税金泥棒」と言われ、みかねた隊員の父母たちが集まって自然発生的に発足したことから見ると、今は隔世の感があります。発足から今に至るまで、隊員が真剣に任務を果たしたからにほかなりません。本会も、隊員募集や部隊行事に協力することでお手伝いをしてきました。
 自衛隊は大多数の国民から信頼されています。私達家族会会員は隊員が担う任務を直接助けることはできません。しかし、防衛意識の高揚等本会の目的を果たすことなら出来できます。隊員が災害派遣に出れば、自宅や所属部隊にいつ帰るのかさえ分からないことがあります。そうした時に互いの安否確認などは家族支援の中核です。本会のネットワークや部隊を通じて実施すれば、隊員への精神的な助けになるのではないでしょうか。

部隊の力

 以前指揮官経験者から聞いた話です。かつてゴラン高原、イラクなど、今はジブチを根拠とした海賊対処の海外派遣がありますが、陸自の例です。部隊は毎日任務終了後使った車両をきれいに掃除し、決められたところにきちんと整列させているそうです。日本人の感覚では当たり前ですが、他国から見れば「しっかりした部隊だ。」と評価され畏敬の対象となるそうです。2人の経験者から聞いていますが、これも一つの抑止力でしょうね。
 本会会員の方なら誰でも経験していることでしょうが、入隊したご家族が新隊員教育部隊を卒業すると実家に帰省しても、見違えるようにしっかりした挨拶ができるといいます。
 こんな力が教育隊のどこにあるのか、私には今も「謎」です。

おやばとを読みましょう

 本紙では、各県の「会長奮戦記」や「きずな」欄で会員の経験や感想を掲載しています。それぞれに一所懸命に活動されていることが良く分かります。冒頭で触れたコロナ禍でも種々工夫をされた方には女性会員も多く、筆者の熱意が伝わります。
 県会長各位にはご苦労をおかけしていますが、女性の県役員や地区会長がもっと多くても良いのではないでしょうか。世はジェンダーフリーの時代です。
 また、高齢者の役員からは後任者がいないという話も良く聞きます。それでも思い切って若返りを図ってみることも必要でしょう。
 この外思いがけないような記事が本紙には沢山あります。どうぞ本紙を可愛がって戴ければ幸いです。
 

 学 歴

  昭和44年3月

    早稲田大学第1法学部卒業


 経 歴

  昭和44年

    防衛庁入庁
    (長官官房総務課)

  平成 8年 7月

    防衛施設庁総務部長

  平成10年11月

    内閣官房
    内閣安全保障・危機管理室長

  平成13年 1月

    防衛施設庁長官

  平成14年 1月

    防衛事務次官

  平成16年 1月

    三井住友海上火災保険㈱顧問
 
  平成29年
    三井住友海上火災保険㈱退職