自平成30年度定期総会式辞 



伊藤 康成 会長

 本日、ここに福田防衛大臣政務官をはじめ内外多数のご来賓のご臨席を賜り、公益社団法人自衛隊家族会の式典を挙行できますことは、会員一同にとりまして、誠に光栄であり、厚く御礼申し上げます。
 ご高承のとおり本会は、時代の変遷に対応すべく昨年1月1日「公益社団法人全国自衛隊父兄会」から「公益社団法人自衛隊家族会」に名称を改めました。また、自衛隊の活動が内外ともに活発となり、今や社会的評価も非常に高いものになっていることはまことにご同慶の至りであります。この機会に従来の「隊員の心の支え」から一歩進んで「自衛隊と隊員を支える」団体として、新たに大規模災害派遣等があった場合に隊員の家族支援協力に取組むなど一層各種事業を推進する所存です。

 さて、歴史上はじめての米朝首脳会談は、共同声明で、新たな米朝関係の樹立を高らかに謳いあげ、米国は北朝鮮の体制を保証し、北朝鮮は半島の非核化を再確認したと述べています。しかし、具体的な行動については今後の協議事項とされ、そのほか日本人拉致問題等多数の課題が話しあわれたとのことですが、具体的な内容は不明です。両国の首脳同士が信頼関係を築くことは好ましいことですが、先の見通しがたっているわけではなさそうです。わが国は、引き続き国際社会の結束のもと何事にも対処できる態勢を整えていかねばならないでしょう。

 南シナ海における中国の軍事力を背景とした現状変更とその既成事実化、度重なる尖閣諸島の領海侵犯、ロシア軍の北方領土を含む活動の活発化については、これからも続くものと考えられます。
 今後の北朝鮮の対応とともに米、中、韓、露の動向に注目して参りたいと思います。
 国内では、戦後わが国最大の課題である憲法改正の動きが現実味を帯びてきました。憲法に自衛隊を明記して、長年の違憲論議を終わらせる一方で、自衛官の社会的地位を高め、一層の誇りをもって任務に邁進してもらうためにも是非実現するよう本会会員として重大な関心を持たざるを得ないところであります。国家の安全保障と隊員の安全とは本会会員が等しく望むところです。憲法改正について家族会として真剣に取り組んで参りたいと思います。

 防衛省・自衛隊では、北朝鮮による核とミサイルの脅威をはじめとする急激な安全保障環境の変化を踏まえて、本年中の現防衛大綱の見直しや平成31年度から始まる中期防衛力整備計画の作成が進められています。国内では依然として厳しい赤字財政と少子化プラス求人難による隊員募集の厳しさのため、現職隊員には益々負荷が増大しているのではないかと想像されます。難しい時季の新大綱及び新中期防策定と存じますが、大いに期待するものであります。
 本会としては、こうした国内外情勢の変化を注視しつつ「自らの国は自ら守る」という防衛意識の普及・高揚を柱とし、平時には兎角話題に上がらない部隊への激励訪問や隊員募集への協力などこそ発足以来の本体任務と心得て実践して参ります。

 家族支援協力は、多くの駐屯地で安否確認を希望する隊員及びその家族と本会会員が面談するなどの準備が進んでおり、引続き部隊と協力して進めて参ります。
 隊員募集は、地域に明るい会員や募集相談員の委嘱を受けた会員が、信頼性の高い募集情報を地方協力本部に提供しています。本会が作成している自衛隊早分かりの冊子「DEFENSE WORLD」を活用して自衛隊の組織や日頃の活動・業務等の紹介、街頭募集広報の協力等に励み、自衛隊後継者を見出して入隊を勧める等積極的に協力して参ります。
 国際平和協力活動(PKO)等は、海外における活動が減少しています。一方で昨今の厳しい防衛環境において、尖閣諸島の領海侵犯対応への支援やミサイル対処等自衛隊の行動が増加しています。こうした実態を踏まえ、本会としては国内又はわが国近辺での活動についても激励する方向で検討しています。
 その他、防衛講演会、殉職隊員の慰霊及びご遺族への慰問、北方領土返還要求署名活動への協力、防衛情報紙「おやばと」の刷新による更なる普及等についても引き続き取り組んで参ります。

 残念ながら他の多くの団体同様、本会も年々総会員数の減少が続いております。本年度は「会員獲得!一人がひとり」を合言葉に会員一人が一人の入会者を得るようキャンペーンを張って会員数の増加を図り一層活発な自衛隊家族会を目指して参ります。
 本会は、「自衛隊員に最も身近な存在である」ことを活動の原点として、本年度も引き続き部隊への激励訪問、隊員家族支援協力、厳しさを増す募集への協力等の主要事業を推進し、自衛隊員及び家族を支えられる組織を目指して参ります。どうぞ、ご臨席のご来賓各位におかれましては引き続きご指導・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

 終りに当たり、本日、ご臨席頂きました福田防衛大臣政務官をはじめご来賓各位に重ねて御礼を申し上げ式辞と致します。


          平成30年6月14日
             公益社団法人 自衛隊家族会
                            会長 伊藤康成
 

 学 歴

  昭和44年3月

    早稲田大学第1法学部卒業


 経 歴

  昭和44年

    防衛庁入庁
    (長官官房総務課)

  平成 8年 7月

    防衛施設庁総務部長

  平成10年11月

    内閣官房
    内閣安全保障・危機管理室長

  平成13年 1月

    防衛施設庁長官

  平成14年 1月

    防衛事務次官

  平成16年 1月

    三井住友海上火災保険㈱顧問

  平成30年 1月

    三井住友海上火災保険(株)退職