公益社団法人 自衛隊家族会会長 伊 藤 康 成



伊藤 康成 会長


 自衛隊家族会の発足にあたり

                                 
 公益社団法人「自衛隊家族会」として初の新年を迎えました。全国の読者、国内外で国の守りや国際貢献に取り組む隊員各位、そして自衛隊家族会会員の皆様に年頭のご挨拶を申し上げます。
 

明けましておめでとうございます。
 
 長く親しんできた「父兄会」の名称を「家族会」に改めた理由と経緯は本紙で幾度か報じてきました。
 ここで簡潔に申せば、戦後70年以上を経て「父兄」という言葉はほとんど使われなくなったこと、本会が協力する陸上自衛隊の「家族支援」が本年4月から本格的に開始することに備えて新信条にあるとおり「隊員に最も身近な存在であることに誇りを持ち力をあわせて自衛隊を支え」ることができる会に成長することの2つです。  単なる名称変更にとどまるものではなく、隊員が安心して任務を遂行できるよう支援します。

2017年の展望
 
 昨年6月には英国の国民投票でEU離脱が賛成多数、11月には米国大統領に共和党のトランプ氏が当選と、いずれも事前の予想を覆す結果が出て世界を驚かせました。
 今年は、欧州では4~5月にはフランス大統領選挙、9月にはドイツ連邦議会選挙が予定され、仏ではオランド大統領の不出馬、独ではメルケル首相続投の成否が関心の高いところです。
 アジアでは韓国で朴大統領に対する弾劾決議が国会で可決され、憲法裁判所の判決待ちの状況ですので、本来なら12月の選挙が早くなる可能性があります。中国は秋の共産党大会で習近平総書記兼国家主席と李克強首相以外の党政治局常務委員の改選が予想され、習総書記の次を巡る党内の水面下の争いも活発になると言われています。
 このように我が国とロシアや既に選挙を終わった台湾、フィリピンなどを除く多くの国で選挙の年となりそうです。その結果を見通すことは不可能ですが、2つの大戦と永い冷戦を経た21世紀の今日、定着したかと思われる国際協調から、自国中心の考えが強くなっているという不安がぬぐえません。
 幸い我が国の政治は安定していますが、多くの国が自国第一主義となることに警戒をしなくてはならないでしょう。

 
自衛隊の任務が益々重要に
 
 我が国は、国家安全保障戦略で 「国際協調主義に基づく積極的平和主義」を掲げ、日米同盟を基軸として国と周辺地域の安全を確保してきました。この方針に揺るぎが無いのは当然ですが、具体的な施策ではおそらく今までと全く同じというわけにはいかないこともありましょう。
 我が国が具体的に何をするかは政治の課題ですが、既にPKO等で国際貢献に実績のある自衛隊に期待されることも多くなるかもしれません。本会が最も身近な存在として支援する自衛隊の任務も益々重要になり、本会への期待も一層大きくなると予想されます。   昨年12月には初めて、いわゆる 「駆け付け警護」の任務を付与された第11次南スーダン派遣施設部隊(青森・第9師団基幹)がアフリカ で任務を開始しました。
 この派遣に当たっては「駆け付け警護」について批判的な意見がマスコミでも取り上げられ、家族の中には不安になられた方もいらっしゃるでしょう。新しい任務を付与されて遠いアフリカの地に赴く隊員の身を心配するのは家族として当たり前のことと思います。  このことも十分に踏まえたと思いますが、田中派遣隊長は「法の枠組みが整備されたことで、しっかりと訓練してきた。部隊は高い練度にあり何の不安もない」(朝雲新聞11月24日号)とインタビューに答えています。まさに、長い訓練を経ていかなる事態にも対処できる自信を持った隊長でなければ言えない力強い言葉です。
 また、壮行行事の際、稲田防衛大臣は「防衛省は全員が帰国する日まで、派遣隊員とご家族への支援に万全の態勢で臨む」(同前)と述べられています。本会としても派遣隊員とその家族へできる限りの支援を心掛けて参りたいと思います。
 

家族会の本務を遂行しよう!  楽しく諸活動ができる工夫も

 
 本会は、冒頭に述べたように隊員家族支援協力を自衛隊支援の中心として態勢整備に努めて参ります。また、防衛意識の高揚のための講演会の実施、全国的な求人難による自衛隊員の募集への協力、若年退職を余儀なくされる隊員の再就職援護への協力にも引続き力を入れて参ります。さらに、北方領土返還要求署名運動等の国民運動にも引続き参加します。
 こうした活動は本会の本務ですが、本会は個人の自由意思で入会した人の集まりです。会の運営は、和気あいあいのうちに楽しく諸活動をするのでなければ長続きしません。そのため、各県、各地区会の一層の工夫をお願いして年頭の挨拶と致します。本会としても派遣隊員とその家族へできる限りの支援を心掛けて参りたいと思います。

 学 歴

  昭和44年3月

    早稲田大学第1法学部卒業


 経 歴

  昭和44年

    防衛庁入庁
    (長官官房総務課)

  平成 8年 7月

    防衛施設庁総務部長

  平成10年11月

    内閣官房
    内閣安全保障・危機管理室長

  平成13年 1月

    防衛施設庁長官

  平成14年 1月

    防衛事務次官

  平成16年 1月

    三井住友海上火災保険㈱顧問